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2011.12.31

殺しも芸の肥やし 殺戮ガール: 七尾 与史

リンク: 殺しも芸の肥やし 殺戮ガール


なんか凄い本でした。冷たい熱帯魚もかくやという出来。
いやあまり期待させても悪いですが、かなりのリアリティと寒さを感じる筋建てが尋常じゃないです。しかも殺人者はなぜかお笑い芸人になることを人生の目標にしているというシュールな展開。悩んじゃうくらいのインパクトです。

まぁまぁ軽いし(筋建て的には客観的には重いが、読んでいると軽々と突き抜けて行くんですね)読みやすいし、なかなか受ける要素は強いのではないでしょうか?

年末まで勢いを維持できるかと、ちょっと応援したくなっちゃうような完成度です。

ぶっちゃけ、殺人者の女性が、いかに殺しまくっていたかという話ですね。怖いです。

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2011.12.25

百田尚樹 「風の中のマリア」読了

風の中のマリア (講談社文庫)

読了

スズメバチのメス?が主人公。30日という短い生涯の中で目一杯生きてる成長小説かな。

中々成長小説と言うのは名作が多いが、この本も極めて面白い。
スズメバチの世界そのものを克明かつ興味深く描きだしている点や、生き抜くための戦いの描写も素晴らしい。スズメバチについての多くを知ることができました。

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2011.12.24

ジェノサイド: 高野 和明

ジェノサイド


このミス一位の意味がわからないけどね。

さてコンゴに派遣される傭兵チーム、日本で急死した父からのメッセージの謎を追う大学院生、アメリカで政権に密着して事件を見守る学者、などが主人公。なんというか、臨場感といい、スケールといい、けた違いですね。いいものを読ませていただきました。

人間という種族は、そうですね、いまだに全人類を何十回も皆殺しにできる武器に密かに見守られながら暮らしていたりするとか、いろいろと問題点を提起しています。
AK47という銃が出てきますが、これにはかなり象徴的な感じを受けました。この銃は壊れにくく、安く作れるという、貧者の銃、革命の銃なのですね。そのような革命の銃を携えた傭兵達が人類に対する革命を起こす。なんとも象徴的だと思いました。

まぁ実際、スケールが大きい点が比類なく、好印象でした。

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2011.12.15

Amazon.co.jp: ねじまき少女 上 (ハヤカワ文庫SF): パオロ・バチガルピ, 鈴木康士, 田中一江, 金子浩: 本

リンク: Amazon.co.jp: ねじまき少女 上 (ハヤカワ文庫SF): パオロ・バチガルピ, 鈴木康士, 田中一江, 金子浩: 本.


パオロ・パチガルビ「ねじまき少女」読了

いやはや表紙みて妙に誤解したけど、なんちゅうか「はかない物語」かと思って読み出したら、全然そうじゃなくてびびった。

石油が枯渇した混沌の世界における革命小説といいますか。どこもファンタジーじゃなかったね。

やはり日本人的な「はかなさ」の演出はできていなくて「えげつなさ」「脱力感」「無力感」という感じでしょうか。表紙は「はかない」いい感じなのですけど。ねじまきと来ると、ねじまきが緩んだら、無力に横たわるのかなと思っちゃうじゃないですか。ところが、この本の中では超高効率なねじ巻きで、半永久機関的な雰囲気なのです。となると表紙はどやねんって事ですね。

で、物語ですが、タイが舞台なのですが、洪水問題が記憶に新しいですが、きっちり押さえられています。たいしたもんですね。そしてASEAN諸国にありがちな微妙にきな臭い、いかがわしい感じがすごくよく描けています。映画「ハングオーバー2」あたりで観た、パワフルかつ混沌という感じも見事に醸し出されています。ここらへん、欧米のSFではみられない雰囲気であり、実際問題、そうとうな現場感覚です。

ということで、物語はいつのまにか革命の大混乱に巻き込まれて、まさに何でもあり状態に飛び込んでいくのですが、これが素晴らしい。なんという臨場感でしょう。いくつかの勢力を前振りと刈り取りを駆使しながら混乱の中の緊迫感をうまく演出していますよね。

と、ここまでベタ誉めですが、読了感はあまりよくないです。まぁ登場人物さんたちは、ちょっと翻弄されすぎですよね。それがアジアンテイストなのかなとも思いましたが、気に入りませんでした。

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